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2026.1.26

【ICT通信Vol.14】2026年1月からの「中小委託取引適正化法」対応ガイド

1.はじめに 中小企業の利益を保護する「取適法」

2026年1月より、取引の適正化に向けたルールが一段と厳格化されました。
「下請法」が改正され、「中小受託取引適正化法」通称:取適法 として新たに施行されます。

今回の改正は、単なる制度の延長ではなく、
取引の実態や経済環境の変化を踏まえた大幅な見直しとなっています。


こちらのブログでは、中小企業が特に見直すべきポイントを3つ抜粋し、
ICTから見る業務効率化の方法も少し解説します。

2.法律名称の見直し

上下関係を前提としない、より中立的な表現に改められています。
これは、形式的な立場ではなく、実際の取引関係に着目するという考え方への転換を示しています。

3.なぜ今見直しが必要だったのか

コスト上昇と価格転嫁の課題



近年、原材料費やエネルギー価格、人件費の上昇が続く一方で、
中小企業では「取引価格に十分に転嫁できない」という課題が顕在化していました。



特に、委託側の立場が強い取引では、

・価格交渉ができない
・協議自体を拒まれる
・実質的に値下げを強いられる

といった状況が生じやすく、
結果として中小委託事業者の経営を圧迫してきました。


今回の改正は、こうしたサプライチェーン全体で適正な取引を実現することを目的としています。

4.取引ルールはどう変わる?

対象となる取引範囲の拡大

従来の下請け法では、主に製造や修理といった取引が対象でしたが、
今回の改正により、運送委託などの役務委託などの役務提供も新たに規制対象に含まれます。

これにより、製造業以外の業種で合っても、取引内容によっては取適法の対象となる可能性があります。

対象事業者の基準見直し

これまでの資本金基準に加え、従業員数による基準が導入されました。
そのため、資本金が小さくても、実態として規模の大きい企業は規制対象となるケースが想定されます。

5.禁止される行為の具体例 ―日常取引で起こりやすいケース―


取適法では、委託事業者に対して、特に以下のような行為が禁止されます。

①一方的、不当に低い価格決定や協議拒否



例)
「原材料費が上がっている」と相談しても、「これ以上は払えない」の一言で交渉を打ち切る。
市場価格やコスト上昇を無視し、以前と同じ単価を一方的に提示する。

協議を行わずに価格を決定すること、正当な理由なく低い代金を設定することは問題となります。

②支払を引き延ばす



例)
長期の手形払いを指定し、受託事業者に資金繰りの負担を負わせる

中小受託事業者へ発注した物品等の受領日から60日以内のできる限り短い期間内に支払期日を設定しなければなりません。

③取引条件を示さない



例)
口頭やチャットのみで発注し、金額や支払い条件を明示しない

中小受託事業者に発注内容(給付の内容、代金額、支払期日、支払方法)等を書面又は電子メールなどで明示しなければなりません。
電子メールなどによる明示は中小受託事業者の承諾がなくても可能。
また、取引完了後、取引に関する記録を書類又はメール、PDF等にて2年間保存が必要です。

このように、これまで当たり前だったことが、今では法律違反(あるいは勧告対象)になる可能性があります。
将来的なトラブル防止だけでなく、取引の透明性を高めるためにも重要なポントです。

委託する側・受託する側のどちらであっても自社の取引を見直すきっかけとして、
社内ルール整備を進めましょう。

チェックリスト



取引先との契約内容・発注方法は書面化されているか
価格決定の際の、協議や説明の記録が残っているか
支払方法や支払期限が適正か
自社が「委託事業者」に該当する可能性はないか

6.IT・業務管理の観点から考える“現実的な対応策”

このような法改正への対応でよくある声は、余計な書類や手間が増えた というものです。
ですが、特別な作業を追加することが本質ではありません。
大切なのは、日常業務の中で「説明できる状態」を作れているかどうかです。


これまでのように、担当者の記憶やチャット、紙の書類に依存した管理では、
取引情報が分散しており、事実確認や説明に時間がかかります。

💡押さえておくポイント💡

 発注から支払いまでの流れを一元的に把握すること
  一連の流れを紐づけ、一か所で管理することで、業務効率化も同時に実現できます。

そこで弊社がおすすめできる構成は、
「販売管理システムを軸に、請求・会計・証憑管理までをつなげる」ということです。



理由①:取引の全体像を説明できる


販売管理システムでは、取引先との、見積~受注~売上までの履歴が自然に残ります。
価格・条件の変更履歴を残せるので、「どの取引について、どの条件で進んだのか」が明確になります。

理由②:請求・支払状況の見える化



請求書発行から入金管理まで連動させることで、売掛金残や支払い状況がわかります。
そのあとの会計システムへの転記・証憑管理への引継ぎにも対応しやすくなります。

まとめ 法改正×業務効率化」

今回の法改正は、「守るための対応」だけでなく、取引管理や業務の進め方を見直す良いきっかけでもあります。
自社の業務に合ったシステム構成を検討してみるのもいいかもしれません。
法対応と業務効率化を同時に進めることが可能です。

弊社は、企業にあった内容の選定から導入、その後の運用サポートも行っておりますので、
気になった方はぜひ弊社にご相談ください!

本ブログは以下のサイトを参照しています。
■政府広報オンライン「2026年1月から下請法が『取適法』に!委託取引のルールが大きく変わります」
https://www.gov-online.go.jp/article/202511/entry-9983.html)2026.1.22最終閲覧


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